美里町立東児玉小学校
いじめ防止等のための基本的な方針
平成30年4月
美里町立東児玉小学校
○ 目次
はじめに
第1 東児玉小学校基本方針の策定
1 策定の目的
2 いじめの定義
3 いじめ防止等のための対策の基本理念
第2 いじめ防止等のための対策の内容に関する事項
1 いじめ防止等のために本校が実施する施策
(1) いじめ防止等に取り組む組織
(2) いじめ防止等に関する措置
ア いじめの未然防止
イ いじめの早期発見
ウ いじめに対する措置
2 重大事態への対処
(1) 重大事態への対処の流れ
(2) 教育委員会又は町立小・中学校による調査
(3) 重大事態の報告を受けた町長の再調査等
第3 その他いじめ防止等のための取組に関する事項
はじめに
いじめはいじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものである。
本校では、これまでもいじめは決して許されない行為であるとともに、どの子供にもどの学級でも起こりうるものであることを十分認識の上、その防止と対策にあたってきたところである。
本基本的な方針は、児童の尊厳を保持する目的の下、町・学校・家庭・地域住民・その他の関係者が連携し、いじめの問題の克服に向けて取り組むよういじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)の施行を受けて、法第13条の規定に基づき、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見およびいじめへの対処をいう。)のための対策を総合的かつ効果的に推進するために策定するものである。
第1 東児玉小学校基本方針の策定
1 策定の目的
本校におけるいじめの根絶に向けて、児童の尊厳を保持するとともに、町・ 学校・家庭・地域住民・その他の関係者の連携の下、実効あるいじめ防止対策を総合的かつ効 果的に進めるため、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)第13条の規定に基づき、本校におけるいじめの未然防止、早期発見及びいじめへの対処(以下「いじめ防止等」という。)の基本的な方針を示すものとして、東児玉小学校「いじめ防止等のための基本的な方針」(以下「学校基本方針」という。)を定める。なお、策定に当たっては、文部科学大臣の定めた「いじめの防止等のための基本的な方 針」を参酌(法第13条)するとともに、本校の実情を踏まえたものとした。
(学校いじめ防止基本方針) 第13条 学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。 |
2 いじめの定義
法第2条にあるように、「いじめ」とは、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」をいう。
3 いじめ防止等のための対策の基本理念
いじめ防止等のための対策は、町・学校・家庭・地域住民・その他の関係者の連携の下、次のことを基本として行わなければならない。
いじめは全ての子供に関係する問題であることから、安心して学習等に取り組むことができ、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるよう、未然防止に努める。 |
いじめを行わず、また、いじめを認識しながらこれを放置することがなく、全ての子供がいじめの問題に関して理解を深められるよう、お互いに尊重し合う意識や態度を育てることを目指す。 |
いじめは決して許されないことであるが、どの学校でも、どの子供にも起こり得ることから、いじめが子供たちの心身に重大な影響を及ぼすという認識に立ち、迅速かつ組織的に対応する。 |
第2 いじめ防止等のための対策の内容に関する事項
1 いじめ防止等のために本校が実施する施策
(1)いじめ防止等に取り組む組織
学校におけるいじめの防止等の対策のための組織) 第22条 学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。 |
本校は、本校の実情に応じ、いじめ防止等の対策を実効的に行うための常設の組織として「生徒指導推進委員会」を設置する。
生徒指導推進委員会は、校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、生徒指導副主任、教育相談主任、養護教諭、教務、各学年代表者等13名で通常行われるが、個々の事案に応じて学級担任を加えることができるものとする。
また、生徒指導推進委員会は学校基本方針に基づくいじめの防止等に関する取組を実効的に行う際の中核となる組織であり、必要に応じて心理や福祉の専門家などの外部専門家等の参加を図りながら対応することにより、より実効的ないじめ問題の解決に資するよう工夫する。
生徒指導推進委員会は、実際にいじめ若しくはいじめと疑われる事案が発生したときの事実確認や重大事態が起きたときの調査をする組織の母体となるものとし、必要な場合には公平性・中立性を確保するため、町教育委員会との連携を図り、専門的な知識及び経験を有する第三者として、心理や福祉の専門家等の参加を図る。
さらに、生徒指導推進委員会では、本校の基本方針の策定及び教職員間の共通認識の促進、保護者、地域への周知、必要に応じた評価と見直しを担う。
生徒指導推進委員会の具体的な役割は、次のとおりである。
ア 取組の実施や具体的な年間計画の作成・実行・検証・修正の中核としての役割 イ いじめの相談・通報の窓口としての役割 ウ 情報の収集と記録、共有を行う役割 エ いじめの疑いに係る情報があった時の対応を組織的に実施する中核としての役割 |
(2) いじめ防止等に関する措置
ア いじめの未然防止
いじめはどの学校にも起こりうるという事実を踏まえて、全ての児童を対象に、いじめの未然防止に取り組む。
未然防止の基本として、児童が心の通じ合うコミュニケーション能力を育み、規律正しい態度で授業や行事に主体的に参加・活躍できるような授業づくりや集団づくりを行う。また、集団の一員としての自覚や自信を育むことにより、いたずらにストレスに捕らわれることなく、互いを認め合える人間関係・学校風土をつくる。
更に、教職員の言動が、児童を傷つけたり、他の児童によるいじめを助長したりすることのないよう、指導の在り方に細心の注意を払う。
(ア) 教師の言動・姿勢
「いじめの予防」として最も大事なことは「何も起こっていないときの指導の大切さ」である。いじめを未然に防ぐことやいじめが起きたとしても早期に解決が図れるようにするために、教師一人一人が普段の指導について謙虚に振り返る。
また、いじめられている児童の立場で指導・支援を行うために
①児童の悩みを親身になって受け止め、児童の出すサインを、あらゆる機会を捉えて見逃さない。
②自分の学級や学校にも深刻ないじめ問題が発生しうるという危機意識を持って当たる。
③いじめられている児童を守り通すことを最優先に指導・支援する。
ことを念頭に置いて対応に当たる。
いじめに関する事例を分析してみると、教師が直接・間接にいじめを生み出している場合がある。教師がいじめの発生に関わっている場合として、
・教師の不用意な一言が「いじめ」の発生を許容している場合
・教師の言動が結果的に「いじめ」の発生を許容している場合
・教師の指導が徹底されず、「いじめ」の土壌を温存させている場合
などがあることに十分留意する。
(イ)学級づくり
児童は学校生活の大半を学級で過ごすため、いじめの発生を防止するには、学級づくりがとても重要であることから、
①児童が安心して学校生活を送れるよう配慮する。
・児童の気持ちを共感的に受け止める。(「先生は自分の気持ちを分かってくれている。」)
・居場所をつくる。
・見守る。(「いつもどこかで先生は見守っている。」)
・規準を示す。(「……してはならない。」だけではなく、「こんなときにはこうするといいよ。」)
③ 意欲や元気の源になるエネルギーをたくさん与える。
・分かる楽しさを与える。(「分かった。」と思えたとき、「もっと分かりたい。」というエネルギーがわいてくる。)
・自分のよさや自分との違いのよさを認める。(「これまで気が付かなかった自分や級友のよさを先生が教えてくれた。」)
④ 児童が自分の周りに起こる様々な問題を解決しながら、他者と調和的に生きていくための社会的能力を育てる。
④生徒会活動など生徒が自主的に取り組むいじめ問題への取組を支援する。
などのポイントを押さえた学級づくりに学校を挙げて取り組む。
(ウ)学習指導
学業不振やその心配のある児童生徒は、学校生活に主体的に取り組む意欲を失いがちになり、そのことがいじめ等の問題行動を生む要因の一つとなっている。逆に、児童が学習活動の中で学ぶ喜びを味わうことができれば、それが学ぶ意欲につながり、学習活動の中で進んで課題を見つけたり、主体的に考えたり、判断したり、表現したりして解決することを通して、豊かな心やたくましく生きる力を身に付けることができる。
つまり、「学ぶ喜びを味わわせる授業」をすることが、いじめを予防する手立ての一つとなることを学校全体で認識し、授業改善に当たる。授業改善に当たっては、ユニバーサルデザインや特別支援教育の視点も積極的に加味していく。
(エ)保護者同士のネットワークづくり
いじめの解決には、保護者の働き掛けが大切であり、特に、保護者同士が知り合いだといじめにブレーキが掛かることが多く、保護者同士の親密な関係が重要である。そこで、学級担任等がコーディネート役となり、学級規模で保護者同士のネットワークづくりを進め、いじめを始めとする問題行動等の情報交換や対策について話し合うことなどを工夫する。
また、PTA活動を通じて、いじめの防止等のための保護者の役割についての啓発を図る。
(オ)インターネットを通じて行われるいじめの防止
本校では、生徒がインターネット上のいじめに遭遇しないよう情報モラルの徹底を図る。
①学級活動の時間を活用して、ネット問題について児童向け講演会を毎年度実施する。また、「青少年のネットモラル啓発DVD」等の具体的な資料等の活用を図る。
②児童の意識啓発とともに保護者の意識啓発に力を入れるため、保護者対象ネット意識啓発講演会を実施する。
イ 早期発見
いじめは大人の目につきにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけあいを装って行われたりするなど、大人が気付きにくく判断しにくい形で行われることが多いことを教職員は、認識し、些細な兆候であっても、いじめではないかとの疑いを持って、早い段階から的確に関わりを持ち、いじめを隠したり軽視することなく、いじめを積極的に認知することが必要である。
このため、日頃から児童の見守りや信頼関係の構築等に努め、児童が示す変化や危険信号を見逃さないよう、アンテナを高く保つ。併せて、学校はアンケート調査や教育相談の実施等により、児童がいじめを訴えやすい体制を整え、いじめの実態把握に取り組む。
また、児童に対し、いじめられていることを誰かに相談することは恥ずかしいことではないことを十分に理解させる。
特に、次の点に留意して、いじめの早期発見に努める。
(ア)「New I’s」にある「いじめ発見のチェックポイント」を活用し、該当する項目があれば児童に声を掛け、該当する項目が複数あるときには、生徒指導主任や学年主任に相談する。
(イ)「New I’s」にある「いじめの見極めと状況別対応」を参考に、いじめの早期発見に向けた校内体制を確立する。
(ウ)「New I’s」にある「いじめの取組のチェックポイント」を活用し、指導体制、教育指導の在り方、早期発見・早期対応に向けた体制、家庭・地域との連携の在り方について学校を挙げて改善に努める。
(エ)「友だちアンケート」を学期毎に行い、定期的な児童の実態把握に努める。
(オ)生徒指導事例研修会を各学期末に行い、各学級で配慮を要する児童を報告し合い、全職員の共通理解を図りながらいじめの早期発見に努める。
ウ いじめに対する措置
いじめに対する措置を行うに当たっては、まず、教職員全体でいじめ問題に取り組む体制を作ることが重要である。
いじめの発見・通報を受けた場合には、教職員が個人で判断することや、一部の教職員で抱え込むことがないよう、速やかに組織的に対応し、被害児童を守り通すとともに、加害児童に対しては当該児童の人格の成長を旨として、教育的配慮の下、毅然とした態度で指導する。これらの対応は、教職員全員の共通理解、保護者の協力、関係機関・専門機関との連携の下で、次の点に留意して取り組む。
(ア)いじめている児童への指導(「New I’s」参照)
いじめの内容や関係する児童について十分把握し、人権の保護に配慮しながら、いじめが人間の生き方として許されないことを理解させ、直ちにいじめをやめさせる。
いじめの内容によっては、警察等との連携を図る。
(イ)いじめられている児童への支援(「New I’s」参照)
「いじめられる側にも問題がある」という考え方で接することのないように留意する。そこで、本人のプライドを傷付けず、共感的態度で話を親身に聴く。また、日頃から温かい言葉掛けをし、本人との信頼関係を築いておく。
(ウ)周りではやし立てる児童への対応
はやし立てることなどは、いじめ行為と同じであることを理解させる。
また、被害者の気持ちになって考えさせ、いじめの加害者と同様の立場にあることに気付かせる。
(エ)見て見ぬふりをする児童への対応
いじめは、他人事でないことを理解させ、いじめを知らせる勇気を持たせる。
また、傍観は、いじめ行為への加担と同じであることに気付かせる。
(オ)学級全体への対応
次の点に留意し、いじめの早期発見、早期対応、早期解消に努める。
・ 話し合いなどを通して、いじめを考える。
・ 見て見ぬふりをしないよう指導する。
・ 自らの意志によって、行動がとれるように指導する。
・ いじめは許さないという断固たる教師の姿勢を示す。
・ 道徳教育の充実を図る。
・ 特別活動を通して、好ましい人間関係を築く。
・ 行事等を通して、学級の連帯感を育てる。
(カ)他校の児童生徒が関わるいじめに関する対応
本校の教職員が、いじめに係る相談等において他校の児童生徒が関わるいじめの事実があると思われるときは、当該校への通報その他の適切な措置をとる。
(キ)美里町教育委員会への報告
いじめに対する措置の結果を美里町教育委員会へ速やかに報告する。
2 重大事態への対処
(1) いじめ防止等に関する措置
重大事態とは… 一 いじめにより児童生徒の生命・心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。 二 いじめにより児童生徒が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。 (法第28条第1項より) |
(2) 教育委員会又は学校による調査
・ 学校は、重大事態が発生した時は、その旨を教育委員会を通じて速やかに町に報告する。(法第30条第1項)【図①発生の報告】
・ 教育委員会又は学校は、その事態に対応するとともに、速やかに組織を設け、事実関係を明確にするための調査を実施する(法第28条第1項)。【図②調査】
なお、学校が主体の調査では重大事態への対処及び同種の事案の発生の防止に必ずしも十分な結果を得られないと教育委員会が判断するときや、学校の教育活動に支障が生じるおそれがあるような時は、教育委員会が調査を実施する。
・ 調査は必要に応じて、教育委員会に設置した調査委員会が行う。
・ 教育委員会又は学校は、いじめを受けた児童及びその保護者に対し、当該調査に対し、当該調査に係る必要な情報を適切に提供するものとし(法第28条第2項)、提供に当たっては、他の児童等のプライバシー保護に配慮する等適切な方法で提供する。
・ 教育委員会は、学校が調査を行うときは、必要な指導、助言又は支援を行う(法第28条第3項)。
・ 教育委員会又は学校は、法第28条第1項の規定による調査の結果について、町長に報告する。なお、いじめを受けた児童等又は保護者から申し出があったときは、いじめを受けた児童等又は保護者の所見をまとめた文書を受理し、当該文書を調査報告に添えるものとする。【図③調査結果報告】
※重大事件に該当するか否かについては、いじめを受ける児童等の状況に着目して判断するとともに、いじめられた児童等や保護者からの申し立てがあったときは、適切かつ真摯に対応する。
第3 その他いじめの防止等のための対策に関する事項
基本方針の取組の検証・見直し
本校は、基本方針に定めるいじめ防止等の取組が実効的に機能しているか、検証し、必要に応じて見直す。 |